新入社員さんのみなさまは、絶賛研修中のころかと思います。「仕事がんばるぞ!」と決意に燃えている方もいれば、「ああ、大学に戻りたい」と、心の中で溜息をついている方もいらっしゃるかもしれませんね。
一般的に、会社にとってありがたいのは「仕事がんばるぞ!」の人です。しかし、立ち振る舞いをしくじると「ああ、大学に戻りたい」の人よりも低い評価を受けてしまうのでご注意くださいませ。また、「ああ、大学に戻りたい」と思っている方も、ポイントを押さえて行動すれば、舌打ちされることもないのでご安心くださいませ。
新入社員研修では、「仕事は合理的に行われるものである」という前提で研修が行われていることかと思いますが、それはあくまでタテマエの話にすぎません。すでに研修の段階から、先輩や上司の顔色をうかがって仕事をする状況も発生しますし、同僚や先輩の妬みを巧みにかわす技術も必要となってきますが、それを研修で明示的に習うことはないので、ご自身で習得するほかないのです。
今回は、研修で教わらない「新入社員らしさ」をうまく演じる技術について考え、怨念の渦巻く会社で日常を無難にやりすごす方法について提案させていただきますので、参考にしてみてくださいませ。新人さんでない方も「会社になじめなくて困っている」という方であれば参考になると思います。
「学生気分が抜けていない」問題の背景
新人さんが舌打ちされるシーンのほとんどで「要は……学生気分が抜けてないんだよね」というような意味の言葉が使われますよね。この言葉を真に受けると「社会の厳しさをおまえは理解していないから早く理解せよ」という意味になるでしょう。しかし、もうひとつ、舌打ちしているご本人すら気づいていない意図があることを押さえておくべきです。それは「こいつ……ちょっと前まで寝て暮らしていたのか……俺も寝て暮らしたいのに……許せない! しかもこれで金もらってるんだからやってられないよ! 俺より早く帰ってるし! 肌の艶も全然違う!」という妬みが含まれているのです。ここに心のアンテナを立てていただければ、失敗することも少ないでしょう。
新人さんは、いつも「うらやましい……」と妬まれているので、不要な妬みを買わないよう、ルールとして明示されたことには、どんな細かいことでも従うことをおすすめします。ルールのほとんどは、サラリーマンとしてのスキル向上とは関係ないかもしれませんが、理不尽なルールに従っているところを見てもらうことで、妬まれないようにするためです。
また、「新入社員研修大変だよね」と水を向けられても、「ええ」と答えると「この程度で弱音を吐くな」と思われるので、必ず「いいえ、一日も早く一人前になりたいです!」と声帯を震わせるようにすると好印象です。
基本的な態度についておさえたあとは、より具体的なテクニックについて考えていきましょう。
批評精神は絶対に発揮しないで隠す
研修で「わたしからの話は以上になりますが、何か質問はありますか?」―などと言うと、「鋭い質問」をしようとする新入社員さんがいらっしゃいます。まさに聞いてほしいと思っている「いい質問」であればよいのですが、問題なのは、講師が答えるのに頭を使ってしまうような「鋭い質問」です。
何がまずいかというと、鋭い質問というのは、往々にして現在の仕事のフレームに対して批判的なニュアンスを含むからです。講師と関係ない部門についての批判ならまだしも、講師はその分野に詳しいから講師になっているのであって、講師の仕事を批判していることになるのです。
サラリーマンというのは、自分が正しいと思っていない仕事を強いられることも多く、しかも、「ここ間違ってるよなぁ」とうすうす思っていることを新人さんに批判めいた指摘をされたら、ドンヨリした気分になってしまいます。
学生時代と違って、批判や問題提起は、実現可能な代案を含まない限りにおいては、むしろマイナス評価につながるとお考えください。
「じゃあポジティブなことしか言っちゃいけないのかよ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、まったくその通り、ポジティブなことしか言ってはいけません。それはなぜかというと、わたしたちと同じくらい、先輩や上司は傷つきやすい生き物だからです。











