今回は、プロスポーツチームの栄養指導を行う管理栄養士、橋本玲子さんのお話です。現在、Jリーグ横浜F・マリノスの栄養アドバイザーを務めています。自分の得意なこと、好きなことを組み合わせてコツコツと活動を続けた結果、希望する仕事ができるようになったそうです。【独立・起業ストーリーのバックナンバーはこちら】



「スポーツと栄養」をテーマに活動する管理栄養士

 管理栄養士の橋本玲子さんは、プロサッカーチームや社会人ラグビーチームの栄養指導を行っている。現在、Jリーグ横浜F・マリノスの栄養アドバイザーを務めるほか、2006年トリノオリンピックでは、フリースタイルスキー上村愛子選手を日清オイリオ株式会社グループとともにサポートした。また食品企業、団体等に向けたメニュー開発、食に関する講演など、幅広く活動している。アメリカの栄養士とのネットワークを築き、意見交換を行う等、海外から情報収集も欠かさないという。

 OLを辞め、独立したのは12年前。栄養士として開業後、とても苦労したそうだ。「トップアスリートから一般のスポーツ愛好家向けに、“スポーツと栄養”、予防疾患のアドバイスをしたいと思いましたが、なかなか安定した収入を得ることはできませんでした」

 自分の興味のある仕事をコツコツ続けた結果、仕事は少しずつ増えていった。最近では東京マラソンの開催、ダイエット効果を期待する女性マラソンランナーの増加、メタボリックシンドローム対策等、スポーツや食への関心も高まっている。「やっと自分のやりたかった分野の仕事が増えてきました」

専門職に憧れ、「食べること」にかかわる管理栄養士を目指す

 橋本さんは幼少の頃から12年間、欧米で暮らした。学生時代からスポーツ好きだったが、太りやすい体質に悩んでいた。「体を動かし、よく食べることが好きな家族でした。スポーツをする割にはいつもパンパンに太り、小、中学校では『デブ、デブ』と言われていました。高校時代から、あらゆるダイエット方法を試しましたが、あまり効果は出ませんでした」。ダイエットに成功したのは、日本に帰国後。和食を食べ始めると、自然に体重が減り、この時改めて食生活の重要性を実感した。

 その後、イギリスの化学品会社に事務職として就職。海外生活で身に付けた英語を活かす仕事は楽しかったが、専門職の同僚たちに憧れを感じるようになった。

 「自分の専門分野を持ってバリバリ働く女性が多く、カッコ良く見えました。ある時ふと私自身を振り返り、『私は英語以外にどのようなことができるのだろう?』と思ったのです。自分自身を活かす専門分野がないことに不安を覚えました」

 そして20代半ばで会社を辞め、新しい道を探し始める。「自分は何が好きなのか」と改めて考えた。思い付いたのは、食べることと体を動かすこと。それらを活かせる専門職を探し、「管理栄養士の資格を取ろう!」と決心した。(次ページへ続く)





著者プロフィール
滝岡 幸子(タキオカ サチコ)

経営コンサルタント・中小企業診断士、有限会社ポテンシャル 代表取締役、『ひとり起業塾』主宰。
大手外資系コンサルティング会社を経て独立。中小企業向けの経営コンサルティング業務を中心に、新規事業開発、企業研修、講演、各種メディアでの執筆連載など多方面で活躍中。小資本、低リスクで身軽に起業するノウハウを伝える「ひとり起業塾」を主宰。著書に『図解 ひとりではじめる起業・独立』(翔泳社)、『はじめよう!移動販売』(同文舘出版)がある。



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