『ウェブはバカと暇人のもの』著者に聞く!

今回は編集者・PRプランナーの中川淳一郎さんにお話をお伺いしました。中川さんは博報堂に入社後、企業のPR業務を担当。2001年に退社後、ライター、テレビブロス編集者を経てニュースサイト編集者として活躍されています。
先月、光文社新書より『ウェブはバカと暇人のもの』を上梓されました。中身はネット万能主義の否定論です。なにしろ、サブタイトルもすごい。「現場からのネット敗北宣言」ですからねえ。
この連載、ご存知のように元々は転職に否定的です。転職情報サイトに連載しているのに。
そして、今回はネットで連載しているのに、ネットの否定論を展開。ただでさえ転職情報会社にケンカを売っていて、さらに今度はネットにケンカを売って、自分のライター生命を縮めているような気も…。2回にわたってお送りします。
ネット頼みの社会人が多すぎる!
石渡 サブタイトルからしてすごい本ですよね。
中川 多くの人はネットに対して過度な期待を持ちすぎです。本を書いた理由もそこにあります。ウェブ万能主義に対してきちんと反論すべきだ、と。このままだと自分(1973年生まれ)と同じ世代が60代になったとき、「この世代はネットに頼りすぎのバカ世代」と言われることになります。それに歯止めをかけたい、という思いから書きました。
石渡 それでは社会人とネットの正しい付き合い方とはどのようなものでしょうか?
中川 リアルで得た情報とネットで得た情報、両方を融合させていくことでしょうね。どちらかだけでは偏りが出てしまいます。しかし、残念ながらネット頼みの社会人は多数います。たとえば、私が関わっているニュースサイトではライターに記事を依頼することがあります。掲載前にチェックすると、ネットやウィキペディアを丸写しした記事が実に多い。当然、ボツにします。
石渡 ウィキペディアは信頼がおけない、とよく言われていますが…。
中川 確かに信頼性の問題もあります。その是非以上に根本的な問題として、Googleで検索すればすぐわかります。読者は無料で閲覧できますが、こちらはライターに対して代価を支払います。それは他では読めない内容だからこそ、意味があります。しかし、他でも簡単に読める話のどこに値段がつけられるのか、ということです。この理屈をわからないライターが増えています。
石渡 それは私も耳が痛いですね。何しろ、ライターになった当初は似たようなものでした。さすがにネット・ウィキペディア丸写しはしませんでしたが、ネットのニュースを元に企画を出すことがありました。そのたびにデスク(週刊誌などの副編集長)から「ネットに頼らず、該当する大学や企業に電話で確認しろよ!」と怒られました。
中川 ある大学教授がレポートを出したときのエピソードです。そのレポート内容は難しい内容でした。そこで学生はどうしたか? ヤフー知恵袋にこぞって投稿しました。図書館などで調べるという発想がなかったのですね。回答者も、あやふやな知識で「~だと思います」と根拠があいまいなまま投稿。その教授はそうしたレポートをすべて不可扱いにしたそうです。(次ページへ続く)













