前編では、コピペに疑問を持たない人たちや、芸能人のブログの例を出して現状を見直しました。後編では、オーマイニュースの失敗例などから、ネットの「影響力」について考えます。【バックナンバーはこちら】



無名の一般人は、ブログより「リア充」を目指せ

石渡 有名人とブログの話を続けます。2000年代前半、雑誌メディアはブログやネット展開に否定的でした。私も複数の知遇ある出版社幹部から「雑誌はもちろん、ライターがブログを展開する意味などない。ブログをやる暇があったら記事を書け」と言われました。確かに、身辺雑記は情報を知りやすいライターがやると、仕事をしている出版社の情報漏えいにつながりかねません。実際に情報漏えいを疑われて、ある雑誌から仕事をもらえなくなったライターもいました。

 しかし、今では主要な雑誌はオリジナルホームページやブログを展開しています。私もブログを持っていますが、基本的には新刊・掲載情報や講演の告知のみです。しかし、それでも新規の出版社から取材や執筆依頼が来るツールとなっています。

中川 それは石渡さんがエスタブリッシュされた存在だからですよ。有名人だと、本で紹介した木村カエラ以外でも辻希美などは料理ネタをブログでアップ、それがママドルとしてブレイクするきっかけとなりました。

石渡 なるほど。それでは、一般人がブログやミクシイをやる意味はどこにあると思いますか?

中川 無名の一般人がブログをやって効果があるのは、知り合いにどこそこに行った、などと伝える程度でしょう。それ以上のことは期待するべきではありませんし、そもそも発展性もないです。

 ミクシイも同様です。大学を卒業してから、大学時代の友人として付き合いが続くのは10人以下の人がほとんどのはず。また、それ以上多くても維持できません。そう考えると、マイミクを、それも会ったことのない人にまで増やそうとするのは意味がありません。

石渡 確かに私も大学時代の友人で今も付き合いがあるのは10人いないですね。

中川 不思議なことに友人ではなく、仕事仲間など仕事上の付き合いは続きます。だから、仕事をする、いわゆる「リア充」を目指すべきです。

ネットで受けるのは、B級、テレビ・芸能人、時事ネタ

石渡 しかし、「これからはブロガーの時代」という主張はよく聞きますがそれについてはどのように思われますか? この主張を肯定する論拠として、アルファブロガーの存在があります。最初は無名でもいつの間にか閲覧回数が増え、影響力を行使できるようになり、あるいは書籍化を果たしています。

中川 「これからはブロガーの時代」という説を聞くたびに「バカか」と思います。その典型がオーマイニュースです。韓国の市民参加型ニュースサイトとして有名だったオーマイニュースが、日本版をオープンしたのは2006年。当初はアクセスが殺到し読み込めないほどでした。市民記者の投稿記事に問題が多すぎたこともあって炎上。人気を落とし迷走した挙げ句、2008年にマネー記事中心のオーマイライフに変更、それも2009年4月に閉鎖されました。

 オーマイニュース以外にも一般市民が記事を投稿できるニュースサイトとしてライブドアニュースのPJ(パブリックジャーナリスト)が期待されました。しかし、今では大きな影響力を持つマスメディアには至っていません。ネットで受けるネタを誤解していたことも大きな要因です。(次ページへ続く)

ネットで受けるネタ一覧表

  1. 話題にしたい部分があるもの、突っ込みどころがあるもの
  2. 身近であるもの(含む、B級感があるもの)
  3. 非常に意見が鋭いもの
  4. テレビで一度、紹介されているもの、テレビで人気があるもの、ヤフートピックスが選ぶもの
  5. モラルを問うもの
  6. 芸能人関係のもの
  7. エロ
  8. 美人
  9. 時事性があるもの

『ウェブはバカと暇人のもの』105ページより抜粋


 
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INDEX
『ウェブはバカと暇人のもの』著者に聞く 一般ビジネスパーソンのためのウェブリテラシー(後編)
無名の一般人は、ブログより「リア充」を目指せ

ネットで受けるのは、B級、テレビ・芸能人、時事ネタ

アルファブロガーより強い、お笑い芸人のガリガリガリクソン

ウェブ万能主義はもちろん、世の風説・通説を疑え




著者プロフィール
石渡 嶺司(イシワタリ レイジ)

1975年北海道札幌市生まれ。私立北嶺中・高等学校、代々木ゼミナールを経て東洋大学社会学部社会学科に入学。卒業後、派遣社員、無職、編集プロダクション勤務ののち、2003年にライターとして独立。以後、大学・教育問題や学生の就職活動などを中心に評論・執筆活動を行う。全国の大学を見学して回り、2008年現在、300校を超える。著書は『転職は1億円損をする』『最高学府はバカだらけ』のほかに、『進路図鑑2010 』(光文社ペーパーバックス)などがある。2008年11月に刊行の『就活のバカヤロー』(光文社新書)が10万部を超えたほか、過去の著作はすべて書き下ろし・黒字化していることが自慢。

「ライター石渡嶺司のブログ」

 



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